「熱いお風呂は要注意」2018年冬の『心筋梗塞』の傾向と予防法

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★お風呂で起こる心筋梗塞とは

 

寒い冬に温かいお風呂に入ると、身も心もとても気持ちいですよね。外が寒くなればなるほど、身体を早く温めたいため、ついついお風呂の温度を高く設定してしまいます。しかし、急激な温度変化は、心筋梗塞や脳梗塞という怖い病気に繋がるということを知っているでしょうか?

心筋梗塞とは、心臓の筋肉(心筋)に血液を送る冠動脈の病気のことを指します。心筋梗塞は、心臓に血液を送るための冠動脈が完全にふさがり、心筋に血液が流れなくなった状態を指し、この状態が長く続くと心筋が壊死し、重症の場合は死に至ることもあると言われています。ではなぜ冬のお風呂で心筋梗塞が起こる可能性があるのでしょうか?

冬に温かいお風呂に入る時、短い距離の間で急激な温度変化が起こります。暖房のあるリビングから、暖房のない寒い脱衣所、温かいお風呂、寒い脱衣所、この温度差は10度以上にもなるでしょう。このような温度の変化は、血圧の急激な上昇や下降に繋がります。これを「ヒートショック」と言います。このヒートショックによって、血圧が急激に上昇した場合、心筋梗塞が引き起こされる可能性があるのです。特に元々血圧が高めな方や、動脈硬化やコレステロールが高い方などは注意が必要になります。また、全国の心筋梗塞による死亡件数は冬に増え、1月がもっとも多いことが国立循環器病研究センターの研究グループの調査でも明らかになっていることから、これからの時期の予防対策が重要になってきます。

 

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★お風呂だけではない!2018年冬の心筋梗塞の危険

 

 2017年12月16日の朝日新聞では、奈良県立医科大の研究チームの研究結果が取り上げられました。この研究で、冬の部屋の温度が低い状況では血が固まりやすくなり、心筋梗塞などを起こす危険性が増したということがわかりました。

高齢者を対象としたそんな調査結果を奈良県立医科大の研究チームがまとめた。室温が低い部屋で長い時間をすごしている人は血液をかためる血小板が多くなっていた。

奈良県明日香村や香芝市などに住む60歳以上の男女に協力してもらい、冬の時期に約1100人(平均72歳)から血液を採取。長時間すごす部屋や寝室の温度を測り、起きているときの平均的な室内温度と血小板数との関係を調べた。血小板は、けがをしたときなどに出血を止める働きがあるが、多すぎると血栓ができやすくなる。

部屋の温度に応じて参加者を「寒め」(平均11・7度)、「中間」(同16・2度)、「暖かめ」(同20・1度)の三つに分けて分析すると、寒めの部屋ですごす人の平均値は1マイクロリットルあたり約23万9千で、暖かめの部屋ですごす人より5%ほど多かった。値はいずれも正常とされる範囲内だったが、正常レベルでも値が高めだと心筋梗塞などで亡くなるリスクが上がるとする海外の研究をもとに計算すると、「寒め」の人は「暖かめ」の人より、同様の死亡リスクが18%高かった。

(引用)朝日新聞デジタル

このように、お風呂などでの急激な血圧の上昇下降だけでなく、寒い冬は血が固まりやすいことから、心筋梗塞のリスクが増えるということがわかります。

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★どう対策・予防するか?

 

では冬の心筋梗塞どうやって予防・対策を行っていけばいいでしょうか。

①温度の変化に気をつける

温度差が大きければ大きいほど、血圧が急激に上下し、心筋梗塞を引き起こしやすくなります。冬の浴室は、暖かいリビングから寒い脱衣所へ、そして熱いお湯につかるというように温度差が急激に上下します。脱衣所を暖房で温めておいたり、浴室を蒸気で温めておくなどして、温度差を作らないようにしましょう。お風呂から上がった後も、急に寒い脱衣所に行くのは危険です。浴室内で身体を拭いて下着をつけるなどしてから上がるようにしましょう。

②水分補給をしっかりする

体内の水分が不足すると、血液がドロドロになりやすく、心臓発作を起こしやすくなります。特に冬は、寒いからや、トイレが近くなるからという理由で水分を飲む量が減ってしまう方が多いです。白湯を朝、晩1杯ずつ飲むなどして、身体を冷やさず水分補給をするようにしましょう。

 

③イライラ・緊張に注意

年末年始で仕事が忙しくなると、日常でもついイライラしがちです。イライラは血圧を上昇させてしまいます。リラックスする時間を意識的に作るようにしましょう。また、寒い冬が身体が縮こまり、筋肉が緊張してしまいがちです。緊張が続くと交感神経が優位になり、血圧の急激な上昇につながります。深呼吸をして、体と心の緊張をとるようにしましょう。

 

心筋梗塞は年中気をつけなくてはいけない病気ですが、特に寒い冬は気をつけるべき病気です。「自分はまだ年をとっていないから大丈夫」と油断せず、予防対策をしっかりとっていきましょうね。

 

(参考)

朝日新聞デジタル

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