リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫さんによると、「仕事で高い成果を上げる」「仕事を楽しむ」ことで評価され続ける為に必要な力は全部で12個あるらしいです。
この12の力を適切なタイミングで、適切な学習をしていくことで、あなたの成長の大きくつながるでしょう。
今回は第12の能力の最後である「仲介調整力(コーディネート力)」についてご紹介していきます。
★仲介調整力(コーディネート力)とは
◆定義
物事を調整する力
◆標準開発年齢
40代~60代
◆もしこの能力がないと
大きな仕事を成し遂げることができない
◆関連能力
委任力、相談力含む11すべての能力
12の基礎力も最後の能力になりました。
それがこの仲介調整力(コーディネート力)です。
仲介調整力と聞くと、会社でいう社内調整というイメージがあるかもしれませんが、ここでいう仲介調整力とは、全体をバランスよくまとめる「調整力」、人と人とを結びつける「仲介力」、成果につながるように導く「推進力」この3つを合わせもつ究極の能力です。
つまり、この能力を兼ね備えている人は、ニーズを「聞く」プロであり、わかりやすく「話す」プロだということですね。
例えば、すごい技術力を持っているのに、それを伝えることができない人。
高いコミュニケーションスキルを持っているのに、知識が追い付かない人。
周りにもいますよね?
この仲介調整力はこういった、キャリアアップに必要な力をすべて兼ね備えた能力です。
この能力は、IT化やAIによる自動化が進み、さまざまな業務をコンピュータで行えるようになっているなかで、人間にしかできない究極の仕事だと、著者である大久保所長も述べています。
もし、会社でこういった仲介調整を頼まれたあなたは、きっと総合的な力量を評価されてのことでしょう。
では、仲介調整力とはどのような力なのかを見てみましょう。
①専門分野の知識(専門構築力) 自分でできるだけでなく、人に説明できる |
②豊富な人脈(人脈開拓力) 自分の専門分野以外にも、様々なネットワークを持っている |
③相手のニーズ把握(相談力) 全ての人の思いをきちんと聞き、受け止め、調整できる |
④本質的な明朗さ(愛嬌力・楽天力) 前向きに問題を解決できる、関係者に交換を与える |
⑤情報収集に対する日々の活動(継続学習力) 日々最新の情報を収集できる |
⑥ゴールの設定(目標発見力) 現実的な落としどころを設定し、ゴールに向かって進められる |
⑦合意形成の促進(文脈理解力) 複数の関係者の仲立ちできる |
⑧適切なアドバイス(教授力) より良いゴールを導くためのアドバイスができる |
⑨マメさ 目標のために努力を怠らないこと |
⑩人間的誠実さ 関係者方から信頼されるために、私利私欲のために動かない、約束を守ることが出来る |
これら10の要素を兼ね備えるのは至難の業ですが、今までの12の基礎力をしっかりと積み上げていくことができれば、素晴らしいコーディネーターになれるでしょう。
★仲介調整力を磨くことでこんな風に変わるでしょう!
今までご紹介した1から11の能力を旬な時期に身につけることが、仲介調整力(コーディネート力)を身につけるのためにはとても大切です。
この、「旬な時期」というのが、とても大切です。
というのも、旬を過ぎるを人は弱みを克服するのに難易度が増すと言われています。
例えば40代の人が「自分は愛嬌力が足りないな」と思ったとするでしょう。
しかし、20代からの20年間で私たちの性格や特質は固まってしまいます。
そこで、愛嬌力を伸ばすために「笑顔を鍛える」を行っても身に付くまでには大変な努力と時間を有しますよね。
そうならないためにも、自分が鍛えるべき時期に、鍛えるべき能力を身につけることで、効率的に能力を向上することが出来ますね。
勿論、全ての能力を身につけるのに、遅いなんてことはありません。
何歳からでも足りないと思った能力は身につける努力をするに越したことはないでしょう。
仕事のための12の基礎力は、仕事をしていく中で何度か訪れる大きなチャンスをものにするための能力とも言えます。
今までご紹介した12の能力は1つ1つ独立しているものではなく、相互に関連し合っています。
つまり、一つの能力を磨けば、もう一つの能力も上がるようにできています。
もう一度自分に足りない能力は何か?
そのために何をすればいいのかを考えてみましょう。
いつかあなたに訪れるチャンスを活かし、キャリアという階段をのぼりましょう!
(参考)
大久保幸夫「仕事のための12の基礎力‐「キャリア」と「能力」の育て方」2004年(日経BP社)
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