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JR春日井駅からバスで15分、春日井市の町中に地元春日井の野菜を中心に、愛知県の野菜を使ったケーキを楽しめるお店があります。それがパティスリー『elever la vie(エルヴェラヴィ)』です。地元春日井の「土磨自然農園」から仕入れた野菜、そしてオーナーシェフである吉川シェフが厳選した食材を使った、カラダに優しいスイーツが食べられると評判のお店です。オーナーシェフの吉川成輝シェフに、お店のこだわりやオススメ商品、今後のお店について聞いてきました。
【店舗情報】
elever la vie(エルヴェラヴィ) 住所:〒486-0817 愛知県春日井市東野町4-12-6 電話番号:0568-81-3031 営業時間:10:00~19:00(売り切れ次第 終了) 定休日:水曜日 アクセス:【公共交通機関でお越しの場合】 JR中央線春日井駅より、名鉄バス桃花園(東野町経由)、大池住宅前行 約15分 下原口すぐ 【お車でお越しの場合】 東名春日井インターチェンジより1分 |
エルヴェラヴィはどうやって誕生したのですか?
元々私はフランスで料理人として修業していた時に、野菜に特化したお店で働いていたんです。フランス料理って肉やソースがメインですが、野菜だってこんなに美味しい、それが野菜について研究し始めたきっかけです。日本に帰ってきて就職したレストランでも、野菜をコンセプトとした料理を中心に提供しました。ただ、お客様からの風あたりはとても強かったです。「フランス料理を食べに来てなんで野菜ばっかなの?」「ウサギか!!」なんて言われたこともありました。そんな中で、ある料理を作る際に、バターの代わりににんじんのペーストで代用してお客様にお出ししたんですね。もちろん研究に研究を重ねました(笑)そうしたら、お客様が野菜だということに気付かなかったんです。しかも、とても喜ばれたんですよ。「こんなにこってりした料理なのに、バターではなくて野菜なの?だからワインも進むのね」と。しっかりと手をかけてあげれば、野菜を使うことでこんなに喜んでもらえる。しかも肉に比べてコストも下がり、健康にもいい。これが「野菜でやっていこう!」と思ったきっかけです。
最初に持っていた気持ちとしては、健康のためにというよりも、野菜を楽しんで食べてもらいたいという気持ちのほうが大きかったですね。実際に調べてみると、愛知県は野菜出荷量が全国上位、しかし消費量は全国最下位だったんです。だったら、「もっと野菜をアピールできる」と確信しました。そこから、何をするかを考え始めました。レストランにするか?ビストロにするか?と考えて、ケーキ屋に決めたのは、お年寄りから子供まで幅広い年齢の方が楽しめるものだと思ったからです。野菜を美味しく食べてもらうという敷居を下げたかったんですね。私はケーキ屋の経験はありません。なので、エルヴェラヴィで作っている商品はスイーツではなく料理だと思って作っているんですよ。
エルヴェラヴィのこだわりはなんですか?
一番のこだわりは、『私自身が食材を1つ1つ目で見て、足を運んで、選んでいるところ』だと思いますね。卵、小麦、牛乳、フルーツ、野菜とお客様の口に入るものは全部自分の目で見て仕入れています。そして愛知県のものにもこだわっています。
特に小麦粉にはこだわりがありますね。ケーキ屋さんって普通、薄力粉・中力粉・強力粉とそれぞれ用途によって使い分けるんです。ただ、うちのお店は『きぬあかり』という中力粉だけです。お店をオープンする際に、63種類の小麦粉をブラインドで食べ比べたんですね。そこで残ったのがこのきぬあかりでした。実は、愛知県で作られ、製粉されている小麦粉はきぬあかりしかありませんでした。そして、自分が「これだ!」と思ったものもきぬあかりでした。これは運命だとしか思っていません。きぬあかりは中力粉、つまりうどん粉です。中力粉はとても固いので、普通のケーキ屋さんでは使っていないものかもしれません。しかし、私は元々ケーキ屋の経験がないからこそ、「こうじゃなきゃいけない」という固定概念がありませんでした。このきぬあかりを使って、野菜を美味しく食べるにはどうしたらいいか、それだけを研究しました。
また、卵にもエピソードがあって…。卵もきぬあかりを使って作ったスポンジに合うものを、ブラインドで選んだら『さくら卵』という卵でした。これは春日井市内にある、株式会社ミズナミで作っているものでした。私の出身が瑞浪市ということもあり、これも運命だと思いましたね(笑)また、春日井市にある「土磨自然農園」と出会い、自然栽培で育てている野菜を仕入れさせてもらっています。
あとは、『無添加、化学調味料を使わない』というのもこだわりです。農家さんがこだわって自然農法で作った野菜でも、化学調味料を少しでも入れてしまったら全部無駄になってしまいます。私はお客様に提供する時、すごく色んなものを背負って渡さなくてはいけないと思っているんです。ここで「まずかった」「思っていたのと違う」と思われてしまったら、本当に皆さんにごめんなさいって謝らなければいけない。だからこそ、自分の信念、自信を持ってお客さんに商品を提供して、「こういう風に出しています!!」というのを農家さんにもしっかりお伝えしながらやっていますね。
おすすめの商品を教えてください
トマトのショートケーキ
一番人気であり、おすすめの商品はトマトのショートケーキですね。実はお店の看板にもなっています。このショートケーキには3種類のトマトを使っています。ミニトマト、大玉トマト、スポンジに練りこんであるイタリア品種のトマトです。
トマトと聞くと、酸味をイメージしますが、とっても甘いですね!びっくりしました!
スポンジにもトマトを練りこんでいる為、この甘さが出せているんです。また、その日のトマトの甘さに合わせて、クリームの甘さも毎回変えているんです。
ジャガイモのチーズケーキ
ジャガイモとチーズの組み合わせはどうやって生まれたんですか?
土磨自然農園さんから仕入れているジャガイモで「デストロイヤー」というジャガイモがあるんです。このジャガイモは覆面レスラーのような模様をしていることから「デストロイヤー」っていうんです。実は、レストランで働いていた時に、このジャガイモを「蒸すと臭いな~」と思っていたんで。ただ、よくよく考えてみると、この匂いは臭いのではなくチーズみたいな匂いだったのですよ。この出来事を思い出して、「このジャガイモをチーズに代用できるのでは」と閃いたんです。ジャガイモを使っているので、カロリーも少なくなっているんですよ。
2色のパウンドケーキ
色合いがとてもキレイですね
この2色は上下2種類違う味を組み合わせて作っています。ただ、これは色で合わせているわけではないんです。例えばごぼうだと食物繊維が豊富で胃を傷つけやすい、だから胃を保護してくれるカロテンが豊富なにんじんと合わせています。こうやって1つ1つこだわりをもって作っています。
エルヴェラヴィの商品が健康に与えている影響は?
まずは、野菜を楽しむということを通して健康に貢献できているのではないかと思います。例えば、今まで野菜が苦手だった方が、うちのケーキを食べて「野菜を食べられた!」「興味を示すようになった」というお話を良く聞きます。野菜 が苦手な方の中には、良い野菜を食べてこなかったから野菜が苦手になってしまったという方も多いと思うんです。
野菜を煮込むと灰汁を引いたりしますが、これは野菜が「いらない」といって外に出しているものです。生野菜を食べると、身体は最初に自分が必要としているものから分解していくので、えぐみは最後まで口の中に残ります。それが野菜嫌いのもとになっている人もいると思います。そういう方は、本当に良い野菜を食べると「あれ?食べられる!!」と食べられるようになったりします。エルヴェラヴィでは、野菜を丁寧に処理したり、生の野菜も自然栽培のものを使用しているので、野菜が苦手な方でも食べられる、だから食の幅が広がる。こうやって健康に貢献できているのではないかと思いますね。
また、アレルギー対応(小麦・卵・乳製品の排除)のケーキをご用意することで、一般のケーキを食べることを諦めていた方にも提供できるようになり、食を楽しむ幅を広げることに繋がっていると思います。
エルヴェラヴィの将来の目標とは?
身体に良いものを食べる、そして選ぶという楽しみをどんどん広げていきたいです。エルヴェラヴィというお店を通して、普通の野菜も手をかければ美味しくなるということを伝えたり、土磨自然農園さんのような良い野菜をご紹介していきたいです。野菜の可能性は料理人しか知らないものです。だから野菜をただ広めるのではなく、野菜を食べることを通して、自分の健康を考えるきっかけになればいいなと思っています。少しでも愛知県の方、春日井市の方の健康に貢献していくためにやっていきたいです。
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