★ミネラルってなに???
ミネラル・・・
「ミネラルって大事だよね?」
「ミネラルを積極的に摂取しましょう!」
なんと言葉をよく聞きますが、「ミネラルって何だろう?」と思っている方もいるのではないでしょうか?
人体を構成する元素は約60種類あり、そのうち酸素、炭素、水素、窒素の4元素で全体の96%を占めています。残りの4%に当たる元素全てをミネラル(無機質)と読んでいます。
人が健康を維持するために必要不可欠なミネラルとして、現在16種類が知られていて、これを必須ミネラルと言います。体内に比較的多い多量(主要)ミネラルと極めて量が少ない微量ミネラルに分けられます。
多量ミネラルは、1日あたりの必要量が100mg以上のミネラルで、7種類あります。一方微量ミネラルは1日あたりの必要量が100mg以下のミネラルで、9種類あります。
〈ミネラルの分類〉
ミネラルのうち、カルシウムやリン、マグネシウムなどは、骨や歯など体の組織を作ります。ナトリウム、カリウム、リンなどは体液に溶けて浸透圧の調節、pHのバランス、神経の伝達に働きます。マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛などは酵素の成分となって代謝を進める働きをしています。
適正な量と健康に害を与える量の幅が狭く、過剰症や欠乏症を起こしやすい傾向にあるため、食事摂取基準で、耐容上限量や目標量などが示されています。
特に、日本では、カルシウムや鉄、亜鉛の不足が目立ち、対照的にナトリウムは過剰症が懸念されています。
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★使いやすい!ミネラル一覧表
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★16種の必須ミネラル 〜ナトリウム・カリウム〜
では、ここからは一つ一つのミネラルについてみていきます。
ナトリウム
特徴: 『細胞内外の水分量をナトリウムポンプで調節』 人の体液は細胞外液と細胞内液からなり、この浸透圧を調節しているのが、ナトリウムとカリウムです。ナトリウムは細胞外液中に多く含まれていて、体内には体重の0.15%程度存在しています。細胞内にナトリウムが多くなると、ナトリウムポンプという調節機能が働いて、ナトリウムを細胞外へ排出すると同時に、細胞外のカリウムを細胞内へ取り込もうとします。この仕組みにより、細胞内外でのナトリウムとカリウムの比率が常に一定に保たれ、体内の水分量やそのほかのミネラル成分の濃度が調節されています。 働き: 『過剰なナトリウムは体内の水分量を増やし、むくみの原因となる』 通常、過剰に摂取した塩分は腎臓から排出されます。しかし、取りすぎる状態が続いたり、腎臓の働きが弱まると、体内(血液と組織間液)にナトリウムが増えます。すると血液の浸透圧が上がるため、水を血液中に貯留させることで浸透圧を下げようとします。その結果、血液中の水分量が増え、血管からしみでた水分で組織間液も増えたりします。これがいわゆる「むくみ」です。 また、ナトリウムには血管を収縮する働きもあり、これらが原因となって高血圧が引き起こされます。 欠乏すると…: しょうゆやみそなど、食塩を含む調味料を使用する機会が多い日本人には、欠乏の症状がみられることはほとんどありません。しかし、大量の発汗や下痢、嘔吐が続くと、体内からナトリウムが失われ、痙攣や筋肉痛などが起こることがあります。 過剰にとると…: むくみや腎機能障害、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞など、様々な病気の原因となります。胃がんのリスクも高まるとされています。 |
〈ナトリウムの1日の摂取量〉*( )内は食塩相当量(g/日)
カリウム
特徴: 『細胞内外の浸透圧を調節し、ナトリウムと水分を排出』 カリウムはナトリウムとともに体液の主成分で、主にカリウムは細胞内液に、ナトリウムは細胞外液に存在しています。カリウムとナトリウムは、互いに濃度を一定に保ち、バランスを取り合いながら細胞内外の浸透圧を維持し、血圧の調節をしています。カリウムはナトリウムを排出する働きがあり、ナトリウムの腎臓での再吸収を防ぎ、尿中への排泄を促進します。 このことにより、カリウムには血圧降下作用があり、高血圧の予防に有効と言われます。また、むくみを生じる時は、細胞内にナトリウムと水分が過剰に入り、細胞が膨れている状態です。カリウムは積極的にナトリウムを細胞外に排出するので、むくみにも効果が期待できます。 働き: 『ナトリウムの再吸収を抑制。過剰症では高カリウム血症も』 カリウムには、腎臓の尿細管でナトリウムが再吸収されるのを抑制し、ナトリウムを尿と一緒に体外へ排泄する働きがあります。そのため、体内の余分なナトリウムと水分を減らすことができます。 またカリウムには、筋肉の収縮を緩める働きがあり、不足すると心臓発作のリスクが高まったり、腸管が麻痺して腸閉塞になることもあります。 欠乏すると…: ナトリウムの排泄が滞り、高血圧になる可能性があります。筋肉の収縮、弛緩がうまく行かなくなり、脱力感が生じます。そのほかにも、不整脈、むくみなど様々な症状が現れます。 過剰にとると…: とりすぎた分は尿と一緒に排泄されるので、過剰症の心配はありません。ただし、腎臓の機能が低下している場合は、高カリウム血症を招くこともあります。 |
〈カリウムの1日の摂取量〉
(参考)足立香代子「栄養学の基本がまるごとわかる事典」2016年(西東社)
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