★メンタルヘルスを悪化させる要因とは
「過重労働」「過労死」という言葉が多く聞かれるようになってきました。このような過重労働によって身体や心に悪影響を与えるということは、今や周知の事実となりましたね。皆さんの会社でも「残業禁止!!」や「ノー残業デー」なんて言葉を上司から言われるよになってきたのではないでしょうか。
日本政府は2017年10月6日、過労死等防止対策推進法に基づき、「平成29年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」(以下、「過労死等防止対策白書」)を閣議決定しました。その内容は以下のようになっています。
1.「労働時間を正確に把握すること」が「残業時間の減少」に繋がるとする分析や、過労死等が多く発生していると指摘のある自動車運転従事者や外食産業を重点業種とする分析など、企業における過労死等防止対策の推進に参考となる調査研究結果を報告。
2.「『過労死等ゼロ』緊急対策」(平成28年12月26日「長時間労働削減推進本部」決定)や「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日「働き方改革実現会議」決定)など、昨年度の取組を中心とした施策の状況について詳細に記載。
3.過労死等防止対策に取り組む企業、民間団体、国、地方公共団体の活動をコラムとして紹介。
(参考)厚生労働省HP
メンタルヘルスというのは「心の健康」と略せるように、精神的病気や、心理的病気のことを指します。このメンタルヘルスが原因となって過労死等の発生が近年増えてきています。仕事のストレスや、人間関係、数字のプレッシャーなどは皆さんも仕事をする中で感じていますよね。この心理的・精神的ストレスが過剰にのしかかることで、過労死等が増えてきているのが近年の問題です。
この過労死当防止対策白書の中では、特に過労死等が多く発生している業種・職種である、自動車運転者・外食産業、自営業者・法人役員等の雇用者に対してアンケートを行った結果を載せています。
自動車運転者の悩みやストレス内容 バス運転者:長時間労働の多さ(48.0%) タクシー運転者:売 上・業績等(49.7%) トラック運転者:仕事での精神的な緊張・ストレ ス(42.5%) |
外食産業者の悩みやストレス内容 スーパーバイ ザー等:売上・業績等(46.3%)、社内で上司と部下の板挟みになること(34.3%) 店長:売上・業績等(55.3%)、休日の少なさ(38.8%) |
自営業者・法人役員等の雇用者の悩みやストレス内容 自営業者:売上・業績・資金繰り(54.6%) 法人役員等:今後の事業展開(57.6%) |
このようにメンタルヘルスに影響を与える悩みやストレスは、職種や業種によって違ってくるということがわかりますね。
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★残業手当の全額支給がメンタルヘルスの良好化につながる
現在、日本全体としても働く人のメンタルヘルスを良好にすることに取り組む流れになっている中で、過労死等防止対策白書ではメンタルヘルスを良好にするために以下を改善することが必要があると調査結果を発表しました。
(裁量をもって仕事を進めることができる、仕事に誇りややりがいを感じる、適当な仕事量である) |
この中で、皆さんが驚いたであろうところが「残業手当を全額支給する」という項目ではないでしょうか。その他の項目が「労働時間」や「労働環境」に焦点を当てていることに対して、残業手当は本来ならばつけるのが当たり前であるものです。
しかし、現状として残業手当を全額支給している職場が少ない、そして企業としても残業手当を出すという覚悟は仕事の効率化につながり、無駄な時間外労働を防ぐことになるのではないでしょうか。
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★睡眠でメンタルヘルスを改善しよう
「労働時間」と「労働環境」がメンタルヘルスに大きな影響を与えていることは、わかりましたが、もう1つメンタルヘルスに影響を与えているとわかっているのが「睡眠」です。厚生労働省の調査によると、長時間労働が増えれば増えるほど睡眠時間が短くなり、なおかつ6時間以下の睡眠が継続することで「うつ病」の発症率が上がることがわかっています。
労働時間、労働時間というのは個人1人の力ではどうにも変えられない部分もあります。その中で自分で自分の身体や心を守るためには睡眠時間の確保が重要になってきます。6時間の睡眠というのを頭の隅に置いておくだけでも、メンタルヘルスの良好化につながることでしょう。
(参考)
厚生労働省HP
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