★毎日1時間落ち込んでたら損失はいくら?
学校、仕事、家事・育児など様々な場面でイヤなことは起きますね。
イヤなことがある度に意気消沈している人もいますが、一方ですぐに切り替えて笑顔で次に進んでいく人もいます。
「すぐに切り替えられる人は鈍感なだけだ」、「生まれつき気にしてしまうタイプだからどうしようもない」と思っている方もいますよね。
そう思っている方の中には、「理不尽なことで上司から怒られた。記憶が蘇ってきて仕事が手につかない…」、「旦那からムカつくことを言われた。晩ご飯の準備をしようと思っているのに、イライラして取りかかれない」、「既読スルーとかふざけんな!と長時間腹を立てている」なんてこともあるのではないでしょうか?
しかしイライラしたり・イヤな記憶が繰り返し呼び起こされて行動していない時間が仮に毎日1時間あったら損失はどれくらいでしょうか?
時給1,000円の人であれば、36.5万円(1,000円×365日)の損失です。
もし時給2,000円だったら、、、もちろん倍の73万円になりますね。
こう書いていると「自分は毎日1時間も落ち込んだりしない!」と思われる方もいると思いますが、人間は1日に「4万5千回」も「ムリだ」、「できない」といったネガティブなことを思っていると言われています。
落ち込んでいる・イライラしている時間は客観的に見ることができないからこそ、どれくらい感情に支配されて次の行動が出来ていないかも把握することが出来ません。
一度自分とは関係ないとは思わずに、イライラしている時間による損失を自分の場合で考えてみてくださいね。
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★「忘却術」と「記憶術」は2つでセット
イヤなことを忘れる技術を身につけるためには、そもそも記憶のメカニズム、つまりどのようにして人間は記憶をしているのかを理解する必要があります。
そもそもイヤなことは忘れられないのに、英単語はやたら忘れてしまうのはとても不思議ですよね。
記憶のメカニズムを理解できれば、忘却は記憶のメカニズムとは逆の流れを踏むだけです。
ではいきましょう。
そもそも記憶は2種類に分けられます。
・短期記憶(20秒以内)
・長期記憶(20秒以上)
英単語を覚えられないのは短期記憶から長期記憶になっていない状態で、逆にイヤなことを忘れられないというのは、短期記憶が長期記憶になっている状態を指しています。
また短期記憶→長期記憶になる記憶のパターンも2種類あります。
・単純記憶(単純反復記憶)
・イメージ記憶(エピソード記憶)
単純記憶は例えばdeny(否定する)という英単語の場合、「deny否定する、deny否定する、deny否定する、・・・deny否定する」と繰り返して覚えること。イメージ記憶は「そうでない(deny)!と否定する」と語呂合わせのようにイメージを想起することで記憶することです。
さらにイメージ記憶にも2種類あります。
・自分と関係ある
・自分と関係ない
当然のことながら「自分と関係ない」ことより「自分と関係のあること」の方が覚えられます。
先ほど例で挙げたdenyであれば、「そうでない(deny)!と否定する」とただ暗記するより、自分自身が彼女に浮気を疑われているシーンを思い浮かべながら、「そうでない(浮気なんてしてないw)!と否定する」と覚えた方が効果は高いわけです。
記憶と忘却が繋がってきましたね。
だからこそ「上司に怒られた」という自分に関係のあるエピソードは忘れられないのですね。
ではどうすればいいのでしょうか?
冒頭でもお話ししましたが、忘却をするには記憶とは逆の流れを踏めばいいのです。
つまり「自分と関係ある」→「自分と関係ない」にします。
例えば自分自身が上司に怒られている状況をイメージしてください。
腹が立ってきますね(イヤな思いをさせてしまいすみません!)。
自分と全く関係ない状況にしてみてください。
うまくいかないですって!?
では登場人物を動物にしてみてください!こんな感じですかね?
「上司」に「あなた」が怒られているイメージ → 「ゴリラ」に「ネコ」が怒られているイメージ
一気に気持ちが楽になりませんでしたか?
それは当事者から外れ、イライラする事象を忘却できたからです。
また「ネコ」が「ゴリラ」に怒られているというのが面白いというのもありますね!
登場人物に動物を出すのはおすすめです!
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★心理学を応用した1分間でできる3つの「忘却術」
次の「忘却術」は心理学を応用した1分間でできる方法です。見ていきましょう!
①口を開けて、上を向く
イヤなことがあると、人間マイナス思考になります。
そりゃそうです。
先ほども紹介しましたが、
何もしなくてもそもそも人は1日で4万5千回もネガティブなことを考えているわけですから。
イヤなことがあったらもっとネガティブになっていきます。
こうなった時に大切なことは一度思考をゼロベースに戻すことです。
そのために手っ取り早い方法が「口を開けて、上を向く」ということです。
やってみるとわかりますが、確かに何も考えられません。
実はうつ病になる人の特徴としていつも下を向いているということが分かっています。
またそのことを発見した、うつ病の研究していたある心理学者が、自分を実験台にしていつも下を向いてうつむいていたら本当にうつ病になってしまったそうです。
行動は思考を支配するということでしょう。
坂本九の楽曲「上を向いて歩こう」は1961年にリリースされていますが、このことは間違っていなかったわけです。
坂本九さすがです。
②紙にイヤなことを書いて、丸めてゴミ箱に捨てる
これ、場所気をつけてくださいね。
オフィスで上司にイライラして、そのことを紙に書いてゴミ箱にポイ!その紙が上司に拾われてしまうことないように。
紙に書くのは「思考の外部化」という作業で、頭の中でイヤなことがグルグル回っている状況を一度外に出してあげることです。
イヤなことは頭の中のモヤモヤしているから、イヤなことのままなのです。
自分の外に出して、何にイライラしているのか、悩んでいるのかを目で見て把握することで忘却することができます。
その上、手で書く、ゴミ箱に捨てるという運動を含んでいるからこそ、イヤなことへの思考から離れることができ、忘却に繋がります。
子供のころに、「痛いの痛いの、飛んでけー」とやってもらったことも、「思考(痛いと感じている思考)の外部化」なので理にかなっていたのですね。
加藤茶のギャグと言われていますが、やっぱり天才ですね。
③大声を出す
大声を出すとスッキリするというのはすでに身を以て理解している人が多いと思います。
実は心理学的にも立証されていて、大声を出すことで自我(自分が、自分がという自分自身に向く心)が吹き飛ぶからです。
ただこれを行うのが難しいのは、やっぱり大声を出す場所がないからですね。
カラオケに行くのが一番実践しやすい方法でしょう。
あとはスポーツバーで大声を出して応援する、時間がなければお風呂に使って潜りながら「わー」と言うことをオススメします。
時間があれば、お化け屋敷とかもいいですね。
怖いので自然と大声が出てしまいます。
イヤなこと、悩んでいることを忘れられないことで大切な時間が毎日失われています。
その大切な時間を仕事に当てればお金を増やすことができますし、自分の勉強に当てれば自分の価値を高めることができて、そもそもの年収を増やすことにも繋がります。
どちらにしても終身雇用という働き方が徐々に変わってきていて、個人の力がより求められる現代において、「忘却術」は必須のスキルではないでしょうか。
(参考)
石井貴士「イヤなことを1分間で忘れる技術」2016年(きずな出版)
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