★ビタミンってなに???
「ビタミンって大切だよね〜」
「でもビタミンってどんなもの?」
と聞かれると答えられない方は多いのではないでしょうか?
体に良いことは分かっていながらも、実際どんなものなのか分からない。
そんな状態から抜け出すためにも今回はビタミンについて説明していきます。
その他の栄養素についてはこちらをご覧ください
ビタミンは、5大栄養素の一つで、代謝の調節をする栄養素です。
ビタミンは私たちが生きていく上で必要な栄養素で、主に代謝と関係が深く体の中でほとんど作り出すことができないため、食べ物から摂取する必要があります。
食事だけで1日に必要なビタミンを摂取することが難しいため、最近では、サプリメントなども多く販売されています。
しかし、むやみにたくさんビタミンを摂ればいいという訳ではなく、自分にどのビタミンが不足しているかということを理解して摂取する必要があります。
ビタミンについて説明した最後の章では、ビタミンについてまとめた表に食材例がありますので、こちらを有効活用してみてくださいね。
もう少しビタミンについて、深堀りします。
そもそもビタミンとは、生物の生存・生育に必要な微量な栄養素で、炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物をさします。
なので、ビタミンかどうかは生物によって違うのです。
「ん…?」
「ビタミンかどうかは生物によって違う?」
と思いますよね。もう一度振り返ります。
『ビタミンとは、生物の生存・生育に必要な微量な栄養素で、炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物をさします。』
そう、人間にとって必要な栄養素と、他の生物にとって必要な栄養素が違うということです。
例えば、人間にとってのビタミンCは多くの生物にとっては、ビタミンではありません。
勘の鋭い方は気づいたかもしれませんが、そもそも『ビタミン』とは物質名ではないのです。
ビタミンとは機能で分類しているだけで、例えばビタミンAは、レチナールなどという物質名です。
他には人間にとってのビタミンCはアスコルビン酸と言いますが、これは多くの生物にとって生存・生育に必要なものではないためビタミンではないのですね。
簡単に機能名と物質名を何パターンかまとめておきます。
またビタミンは脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分かれています。
その名の通り、脂溶性は脂に溶けるということで、体内に蓄積されます。
一方水溶性は水に溶けるので過剰摂取しても体外に排出されます。
そのため過剰摂取の危険性があるのは脂溶性ビタミンということです。
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★脂溶性ビタミンについて
脂溶性ビタミンとはビタミンA・D・E・Kの4種類のビタミンで、油に溶けやすく、水に溶けないビタミンです。
これらのビタミンは、体の中で蓄積しておくことができるため、過剰摂取するとトラブルを起こしてしまいます。
では一つ一つ見ていきましょう。
〜ビタミンA〜 特徴: もともと動物性食品に含まれるβカロテンが体内に入るとビタミンAへと変化し働きます(βカロテンの場合は必要量のみビタミンAに変わってくれるという特徴があります)。 美容ビタミンと呼ばれており、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。 ビタミンAは油と一緒に摂ると吸収率が上がるビタミンです。 不足すると…: ・目のトラブルが増える ・肌や髪がバサバサに ・口内炎が治りにくくなる |
〜ビタミンD〜 特徴: 丈夫な骨づくりに欠かせないビタミンです。 カルシウムのパートナーでもあります。 骨の材料であるカルシウムやりんを骨に摂りこみ丈夫な骨や歯を作るために陰で支えているのがビタミンDです。 不足すると…: ・虫歯ができやすくなる ・イライラしやすくなる |
〜ビタミンE〜 特徴: 体の酸化を止めて、老いを防ぐビタミンです。 女性ビタミンと呼ばれていて女性の大敵である老いと関係の深い、活性酸素を撃退するビタミンです。 ビタミンEは他の脂溶性ビタミンA・D・Kに比べ、大量に摂っても体内で蓄積されることがほとんどありません。 不足すると…: ・肌が乾燥しやすくなる ・肩こりや腰痛がひどくなる ・体臭の原因につながる ・更年期障害が重くなる |
〜ビタミンK〜 特徴: 骨を丈夫にしたり、ケアがで出血をした時に血液を固める働きがあります。 ビタミンDと共に骨の健康に欠かせないビタミンです。 不足すると…: ・ケガをしたときに血が止まりにくくなる ・骨がもろくなる ・鼻血が出やすくなる ・青あざができやすくなる |
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★水溶性ビタミンについて
ビタミンCのほか、ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンなどビタミンB群などが水溶性ビタミンです。
脂溶性ビタミンとは逆に水に溶けやすいビタミンで、たくさん摂っても体の中でためておくことが難しいため、こまめに摂る必要があります。
〜ビタミンC〜 特徴: ビタミンの中でも代表的なビタミンというとビタミンCです。 潤ったお肌の維持や風邪の予防、イライラに対する抵抗力をはじめ、その他にも多くの働きがあります。一度にたくさん摂っても、体の中でためておくことができず、尿と一緒に排泄されてしまうのでこまめに摂る必要があります。 ビタミンCは熱に弱く、また水にさらすと溶け出してしまうため、果物や生野菜のサラダなどで摂ることがオススメ。 不足すると…: ・肌が乾燥しやすくなる ・シミやシワができやすくなる ・イライラしやすくなる ・風邪をひきやすくなる |
〜ビタミンB1〜 特徴: 脳や神経の働きをサポートするビタミンです。 糖質をエネルギーに変えるのに携わる酵素の働きをサポートするのに使われます。 特に玄米に多く含まれています。 不足すると…: ・疲れやすくなる ・精神的に不安定になる |
〜ビタミンB2〜 特徴: 脂肪燃焼や美肌維持に関係しているビタミンです。 抗酸化酵素の働きを助ける役割を持っています。 不足すると…: ・口内炎になりやすくなる ・目が疲れやすくなる |
〜ビタミンB6〜 特徴: タンパク質の代謝を助ける働きの他、月経前症候群やつわり、妊娠中毒症などに効果的に働くビタミンです。 ビタミンB2・B6・ナイアシンと密接に関わって体を支える働きもあります。 不足すると…: ・つわりが重くなる ・生理前の体調が悪くなる ・口内炎になりやすくなる |
〜ビタミンB12〜 特徴: 赤血球を作り出すのを助ける働きがあり、貧血や肩こりに悩む人の強い味方です。 また不眠にも効果が高いビタミン。 鉄分を多く摂っても貧血が続く方はビタミンB12不足の可能性もあります。 不足すると…: ・腰痛や肩こりになりやすくなる ・貧血を起こしやすくなる ・記憶力が低下しやすくなる |
〜ナイアシン(ビタミンB3)〜 特徴: アルコールを分解する酵素を助ける働きがあります。 またエネルギーの代謝にも大きく関わると共に消化器官を正常に保つ働きもあります。 肉や魚、豆類に多く含まれます。 不足すると…: ・肌荒れしやすくなる ・二日酔いしやすくなる ・胃腸の調子が悪くなる |
〜パントテン酸(ビタミンB5)〜 特徴: 髪や肌を美しく保ち、栄養素の代謝を促す女性に嬉しいビタミンです。 たくさんの食品に含まれているので、不足する心配はなく、摂りすぎても大丈夫なビタミンです。 不足すると…: ・イライラしやすくなる ・肌がボロボロになる ・疲れやすくなる |
〜葉酸(ビタミンB9)〜 特徴: 胎児の正常な発育を支えるとともに、動脈硬化の予防もできるビタミンです。 不足すると…: ・貧血になりやすくなる ・口内炎になりやすくなる ・動脈硬化になりやすくなる |
〜ビオチン(ビタミンB7)〜 特徴: 皮膚の炎症を抑える働きがあり、アトピー性皮膚炎の治療に使われるのがこのビタミンです。 またアレルギーの元となるヒスチジンを尿から排出する働きもあります。 不足すると…: ・白髪や脱毛につながる ・食欲不振につながる |
★使いやすい!ビタミン一覧表
今まで出てきたビタミンを多く含まれる食品と合わせて一覧でまとめています。
食材を選ぶときはもちろん自分はどのビタミンが不足しているというのを確認するときも使ってみてください。
「人間の体は食べたものからできている」
という言葉があるくらい、日頃摂取する食べ物は大切です。
身近にあるビタミンの働きを理解した上で、日頃の食生活を意識して変えていってみてくださいね。
(参考)足立香代子「栄養学の基本がまるごとわかる事典」2016年(西東社)
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