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『健康エヴァンジェリスト』に続いて、『従業員のこころとからだを大切にする企業』でもインタビューに答えていただきました。企業の健康経営を支えるインストラクターだからこそ、インストラクターは自分自身のこころとからだを整える必要があります。株式会社aiderは従業員であるインストラクターのこころとからだをどのように大切にしているのでしょうか?
株式会社aider目黒代表インタビューvol.2です。
〈vol.1はこちら〉
スタッフのことを考える、環境を整えるのが経営者の役割
とても幸運なことに、Lifit設立と同時に、現お取引先の施設と契約させていただくことになりました。当時恥ずかしながら、経営理念やビジョンなどがなかったので、仲間の分の給料を稼ぐという最低ラインを目標にしていました。そして、すぐに最低ラインを達成し、軌道に乗ってしまったんです。そこから目標がないまま、ただ流れ作業を2年ほど行っていました。もちろん「このままでいいのかな?」という気持ちを持ちながらです。
ただスタッフの妊娠出産で状況が変わりました。2人同時に産休に入ったんですね。2人が復帰したい気持ちを他のメンバーも理解していたので、皆でカバーして仕事の量を減らさいよう頑張っていてくれました。その期間、当然残ったメンバーに負担をかけることになります。結果、メンバーの体はボロボロになっていきました。
その時に初めて「この人たちのために、長く、安心して働ける環境を作らなくては…」と思いました。私以外のスタッフは全員女性。業界的には女性の活躍が必須であるにも関わらず、サポートできる環境がない。それを作ることが、自分の役目。そう気づいたんですね。
1on1, チームMTGの運用。個人とチームの生産性を最大限に高める
ビジネスの仕組み上、基本的に直行直帰のワークスタイルなので、組織という意識が薄いという課題がありました。その課題を解決するために、顔を見て話す機会を意識的に増やしています。
時間や費用の負担はかかりますが、メンバー一人一人の目標やモチベーション管理をするための 1on1MTGや、少人数チームや専属メンバー全員で行うMTGを定例化しました。
私自身が経営についてキャッチアップし始めたのもこの時期からでした。今まで経営について学んでこなかったため、業務課題の発見が遅れたり、回避や改善の方法が分からないといった状況に陥っていました。そういった状況を打破し、会社という組織として成立するように、経営の先輩方に相談したり、本を読んだり、セミナーに通ったりと、改めて学び直す時期でしたね。
現場にいては学べないことを私が学び、メンバーと共有し、一緒にトライ&エラーを繰り返しながら仕組化する。こうすることで、よりメンバーの成長・やりがいにも繋がり、ひいてはお客様へのサービス向上に繋がると考えています。
(少人数MTGの様子)
ただ、取り組みはじめた頃は ほとんど機能しなかったです。もともとMTGもマネジメントも何もやっていない状況から、突然 面談やMTGを始めたわけですから「急にどうした?」など下心があると思われるのではないかと意識しすぎ、実際 何を話せばいいのか悩んだことを覚えています。
自分が経営者として本来すべきことを蔑ろにしてきたからこそ生まれた状況だと反省しました。そういった状況に真摯に向き合い解決していかなければ、私自身の存在意義はないですね。今思えばメンバーのみんなはよく付き合ってくれたなと思います。本当に感謝しかありません。
「なんとなく」をなくす! 適切なフィードバックをする仕組み
その他、テクニカルな部分での取り組みで、メンバーの個別スキルを上げるためにディレクターをおきました。月に1度レッスンの様子をチェックし、課題を抽出。→優先度の高い課題から取り組み、月ごとの目標をクリアできるようPDCAを回しています。
どの職業でも同じかもしれませんが、今の自分を支持してくださるお客様が何人かいると「自分はやれている」と錯覚してしまうことがあります。
もちろん自信を持つ事が悪いわけではありませんが、仮に30人ファンがいたとしても、気づかないうちに受講されなくなってしまったお客様が何十人何百人といるのであれば、取引先に貢献もできていないし、社会に健康づくりを広めることにも繋がらない。つまり自己満足に浸ってしまう危険があるので)。何より一番良くないことは、『インストラクターとしての成長機会』を逃してしまうことだと思いました。
とは言っても、受け手によって正解が異なるカタチのない業種です。スタッフ全員が揃って着実に成果を上げることが非常に難しく、今でも仕組みづくりには苦戦しています。まずは適切なフィードバックをするために、『何がどういけないか』という客観的なデータを出すようにしました。例えばディレクターはスタジオ内外から指導スキルを中心に、視覚情報や体感情報からデータを出します。私はスタジオの外から、インストラクターが発している言葉の種類と その量や割合を ひたすら収集し、言語情報を定量化しました。
2年3年と続ける中で分かってきたことがあります。お客様から評判の良いインストラクターはニーズのキャッチが正確で、それに対し提供するサービス(エクササイズのプログラム)を的確に準備し、またそれを受け取りやすい方法で届けられているということです。どんな仕事にも通ずる、ビジネスの基本を真摯に取り組む事が大事だったのです。中々結果が出ないインストラクターはそう言った分析や戦略が曖昧で、感覚に頼った仕事の仕方をしていました。それでは当然お客様からの評判は上がらない。
だからこそ客観的なデータを示し、その情報を元にフィードバックをすることにしたんです。客観的に状況を把握し、目標を定め、優先的に取り組むべきことをコツコツ積み上げる事で、少しずつ改善につなげていきました。まだまだ不十分ですが、情報をデータ化して、スキル面とすり合わせることで、能動的にスキルアップに取り組めるようになってきたと思います。
(取引先での運動指導の様子)
皆で目指す環境を獲得するためには、成長機会を提示すること、フィードバックを適切に行うこと、能動的に課題に取り組む仕組みを作ることもも非常に大切なことだと気づいた瞬間でしたね。
忘れてはいけないモットー。「丁寧に接しているかな」と自分に言い聞かせる
私のモットーは『時は金なり』。小学生の時に祖父に言われた言葉ですが、当時は意味を理解していませんでした(笑)。しかしスタッフに向き合うようになった今、とても実感しています。
圧倒的に時間が足りないので1分1秒でも大切にして、「スタッフのためにどうしたらいいか?」をもっと考え、行動していきたいです。
それともう一つ大切にしている言葉があります。それは『丁寧に接しているかな』です。もともとメンバーのことを考えていない時期がありましたから。その頃はスタッフとの関係はこじれていたと思います。そんな過去があるからこそ、この言葉は必ず自分に言い聞かせるようにしています。
一言で “丁寧に” と言っても、非常に難しいことだと日々悩みますけど…。
自分に課したタスクとして、話をする際に「この人の成長や目標達成に繋がるように考えられているか」を根幹に置くようにしました。そのためには、厳しいこと・言いにくいことも伝えなければならない、でも私の主観を押し付けてしまってもいけない…正直、試行錯誤の毎日です。
優しく接するとか気遣いをするだけでよければ、意識次第ではなんとかこなせるのかもしれませんが、それでは けっきょく成長もできなければ、目標を達成することもできない。
『丁寧に接しているかな』はモットーでもあり、私自身の課題でもあります。
(社内忘年会の様子)
スタッフがいるからこそ健康づくりを広めることができる、自分一人では何もできないので『丁寧に接する・真摯に向き合う』ということなしでaiderは成り立ちません。
このことに気づかせてくれたスタッフ全員に感謝しています。これからもaiderは全員で、食と運動の両面から“丁寧に“健康づくりを広めていきたいと思っています。
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