★私たちの命と水の驚くべき関係
皆さんは1日の中で、どれくらいの水を摂取していますか?
食べ物で大切な栄養素といえば、誰でも5大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)を思い浮かべると思います。
勿論これが栄養学では正解です。
しかし、水をなくして私たちが生きていくことはできません。
断食をしても、水は飲まないと生命の危機にさらされます。
また、山などで遭難しても水さえあれば一週間や10日は生きられます。
実は、私たちの身体と水は地球と意外なところで大きく結びついているという事実があります。
地球が誕生して現在で46億年と言われています。
そして地球は学者の間では「水惑星」と言われているそうで、7割の面積を海に占められています。
実は同じように人間の身体も約7割が水によって占められています。
また、海の波は嵐の時も、凪の時も1分間に18回寄せては返しています。
同じように私たち人間の呼吸も1分間に18回繰り返しているんですね。
そして、人間の体温も18の倍数で平熱が36度、脈拍はさらに倍の72泊です。
波のリズムが人間の命のリズムと実は関係があるということがわかっていただけたでしょうか?
私たちが海に行くと「なんか落ち着くな…」と感じるのは、こんな理由のせいかもしれません。
★老化も予防する「水」の役割
古代ギリシャの哲学者アリストテレスの名言にこんなものがあります。
「老化は乾燥の過程である」
確かに私たちの身体は、生まれた時は体内中の水分の割合が80%なのに対して、老人になると50%以下に減ります。
アリストテレスも、歳をとり、ミイラみたいな姿になる様子を表現したのでしょう。
では、どうして歳をとると水分が減ってしまうのでしょうか?
一番の理由は「筋肉の衰え」にあります。
私たちの身体は年齢と共に筋肉が減っていき、そして脂肪がつきやすい身体になります。
これは30歳を超えると誰しもに訪れます。
実は、脂肪には水分を貯えておく働きがありません。
水分は筋肉内に貯えられます。
そのため、筋肉の量が減ってしまうと、必然的に体内に水分を貯えることが出来なくなってしまうのです。
また、細胞そのものの水分が減ってしまうことで、シワが出来てしまったりします。
逆に、水分をしっかり取ることで、老化を防止することもできます。
30歳を過ぎてからこそ、積極的に水分を取ることが必要になるのです。
次の章では、水分を効率的にとる方法を紹介していきますね。
★効果的な水の飲み方
では、どのように水を飲むと効率的なのでしょう。
私たちの体は成人で体重の約60~65パーセントが水分で構成されています。
この水の働きで、栄養素や代謝物の運搬、体温の調節などが行われ、生命の機能が保たれています。
健康を維持するのに毎日水分補給をする必要があるのは、このためです。
人間の体が1日に排出する水分の量を合計すると、約2.3リットルにもなります。
おもな排出分は、汗や皮膚から失われる分が約1リットル、尿や便として失われる分が約1.3リットルです。
ですので、健康な人は、1日の排出量とほぼ同じ約2.3リットルの水分を飲食物から補給する必要があります。
皆さん2.3リットルと聞くと多いですよね?
でも、、、安心してください!
平均的な食事で約0.6リットル、食べ物を分解してエネルギーを得る際にさらに0.2リットルの水分を摂取できるので、実際に摂取しなくてはいけないのは、残りの約 1.5リットルのみです。
水分補給の方法は、一気にたくさん飲むのではなく、1回コップ1杯程度(150~250ミリリットル)の量の水を1日に6~8回飲み、1日の必要量(約1.5リットル)を補給するとベストでしょう。
【水分摂取のタイミング】
・朝起きたとき
朝起きたときの私たちの体は、寝ている間に皮膚や呼吸を通して水分を失い、水分不足に陥っている状態です。
血液中のミネラル濃度も高くなっているため、朝一番の水分補給は重要であると考えられます。
・スポーツをするとき
運動中には大量の汗をかき、水分はもちろんナトリウムなどのミネラルも体から失われてしまいます。
体重の2%の水分を失うと軽い脱水症状に陥るため注意が必要です。
・入浴時
入浴による発汗で、私たちの体は水分を失っています。
入浴後には水分補給をすることが大切です。
・就寝前
朝起きたときと同じように、就寝前の水分補給も大切。
睡眠中の水分不足による血液中のミネラル濃度の上昇を防ぐと考えられています。
水を制すものは、命を制すとでもいうように、私たちは水と共に生きています。
20代、30代のころからしっかり水を飲む習慣を作ることで、健康な身体を手に入れることが出来るでしょう。
(参考)
サントリーHP「水大辞典」
http://www.suntory.co.jp/eco/teigen/jiten/drink/dr_08_01.html
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