★ネガティブ思考になってしまう理由
6月に入り、新しい環境にも慣れてきましたか?
中々上手くいかなくて、「まだ、馴染めない」「良い関係が築けない」「自分なんか…」と思ってしまっている方もいますよね。
新しい環境というのは、どうしてもストレスがかかりがちです。
まだ、相手のことが100%わかっている状態ではないからこそ、「こんなこと言って嫌われないかな…」「さっきの私の対応大丈夫だったかな…」「もしかしたら私の悪口言われているかも…」など憶測で不安になってしまうこともありますよね。
(例)
・・・無視。 こんな風に、様々な心境になりますよね。 このように人によって異なる事実の捉え方、受け止め方を、専門的な言葉で「認知」と言います。 この認知にプラスして「うれしい」「悲しい」「不安」「怒り」などのさまざまな気分の感情が生まれ、そして行動に結びつくのです。 大抵の人は、その場ではネガティブな受け止め方をしても、少し落ち着いてみると、別の角度から見ることが出来るのですが、様々なストレスなどが重なると、ネガティブな考え方しかできなくなってしまいます。 この状態が進んでしまうとうつ病や、パニック障害、強迫性障害などの不安障害になってしまう可能性があるので、そうならない前に対策を行うのに注目されているのが「認知行動療法」です。 今回はこの認知行動療法を使って、ネガティブな思考を抜け出して、心のバランスをとる方法をご紹介いたします。 では、まず「認知」というのがどのような構造になっているかを考えましょう。 ① 事実(状況・出来事) (例)上司に挨拶をしたが、上司は何も言わずに通り過ぎた。 ② 認知(考え・信念) (例)上司は自分のことを嫌っているのかもしれない ③ 結果としての感情や行動 (例)不安になる こうやって見てみると、②認知は必ずしも、事実を表したものではなく、自分がその事実に対して検討した内容だということがわかりますね。 つまり、②の認知で「上司がたまたま聞こえなかった」という認知を取れば、③の行動は「何も変わらない、気にしない」となって自分にかかるストレスは少なくなります。 「それができれば苦労しない」と思いますよね。 その通りです。 ②の認知でストレスや恐怖、不安を感じてしまうのは、その人の「考え方のクセ」があって、心のバランスを上手くとる方法を知らないからなんですね。 誰でも練習次第でできるようになりますよ。 <Sponsored Link> ①白黒思考 状況を極端な2つのカテゴリーで考えてしまう。 (例)自分のやった仕事に少しの欠点が見つかると、「完全な失敗だ」と思う。 ②過度の一般化 たったひとつの嫌な出来事があると、他のことも全て同様に思ってしまう。 (例)何か1つを失敗すると「自分はいつも失敗ばかりしている」と思う。 ③心のフィルター たった一つの嫌なことに目が行って、現実も実際より暗く見えてしまう (例)会議で多くの人から褒められたのに、たった1人から批判的な意見がでると、それで頭がいっぱいになり、褒められたことを忘れてしまう。 ④マイナス思考 状況に対して、良い出来事を見ずに、悪い出来事しか見ない (例)仕事がうまくいっても「これはまぐれだ」と考えてしまう。 ⑤読心術 相手が自分に対して悪く考えていると早合点する (例)相手が少しでもそっけない態度を取ると「この人私のこと苦手だと思っているな」と予想を立てる。 ⑥拡大視・縮小視 自分の失敗を過大にとらえ、成功を過小評価する (例)些細なミスでも「なんてことをしてしまった」と考え、上手くいっても「喜べるほどではない」と考えてしまう。 ⑦感情的理由づけ 自分のマイナスな感情を、現実世界にも反映させようとする (例)「こんなにも不安になっているんだから、何かよくないことが起こるに違いない」と感じる。 ⑧「べき」思考 自分の振る舞いに対して、「〇〇するべき」と考え、それが実現できないことが最悪だよ思う (例)「自分は頑張るべきなんだ」と考える。 ⑨レッテル張り 自分に対して包括的なレッテルを貼ってしまう (例)ミスをすると「自分はダメ人間」「できないやつ」などのネガティブなレッテルを貼る ⑩自己関連付け 何か嫌なことが起こった時に、自分に責任はないのに、自分のせいにしてしまう (例)上司が機嫌が悪いと「自分のせいだ」と思う。 どうですが、普段皆さんが生活している中で「あるある」と思うことってありますよね。 勿論、全てに当てはまったからと言って「私はダメなんだ」なんて思う必要はありません。 それこそ、白黒思考ですよね。 あくまでもこれは自分のクセを探すためのものです。 自分はこういう考え方が多いんだなというのを認識するだけでOKです。 <Sponsored Link> 自分の考え方のクセがわかりましたね。 最後はネガティブ思考を変える方法をご紹介していきます。 まずは一番大切なのは「考え方を変えるではなく、心のバランスを取る」ことです。 例えば、先程の考え方のクセで「べき思考」をやってしまったとします。 「あー!べき思考をまたしてしまった、私駄目だな」と思わなくても大丈夫です。 どんな人でも、そうやって考えてしまうことはあります。 逆に言えば「べき思考」ができない人は、物事に対して「どうでもいい」と思っていて責任感がないですもんね。 要はバランスが大切なんです。 もっとわかりやすく見てみますね。 【硬い】 こうあるべき! 【柔らかい】 だといいなぁ 【ドロドロ】 どうでもいい 「こうあるべき!」と思っている状態は、考え方が固まっている状態ですよね。 つまり、他の考え方ができずにその時の考えが全てだと思い込んでいる状態なんです。 こんな時は、考え方を新しいものにするのではなく、元の考え方を少し柔らかくするだけで、心のバランスを保つことができるんですね。 「こうあるべき!」を柔らかくすると「だといいなぁ」みたいに変換するだけです。 (例) 【硬い】 私はダメだ 【柔らかい】 失敗する時だってある 【ドロドロ】 私はなんでもできる 【硬い】 きっと私のこと嫌いなんだ 【柔らかい】 機嫌が悪い時だってある 【ドロドロ】 なにしてもいいやー ネガティブな思考になりやすい方は、そんな自分をすべて変えたい!と思っている方が多いようです。 しかし、全く新しい自分になるのではなく、自分の良いところ考え方を残して、心のバランスを取るように心がけてみて下さい。 きっと、ちょっと楽になると思います。 (参考) 玉井仁「マンガでやさしくわかる認知行動療法」2017年(日本能率協会マネジメントセンター)
★ネガティブ思考な人が陥りやすい10の考え方のクセ
★心のバランスを取って、ネガティブ思考を変えよう!
課長おはようございます!