★本当にやる気がでるシチュエーションとは?
皆さんはどのような場面でやる気になりますか?
上司から期待されたとき、仕事で成功した時、ご褒美が待っている時など様々ですよね。
では、やる気がない時にはどのような行動をして、やる気を引き出しますか?
例えば、憧れの人の話を聞く、自分へのご褒美を作る、目標を立てるなど様々ですよね。
今回は、内側からやる気を引き起こすためにどうすれば良いかを、脳科学的にご紹介していきます。
では私たちの脳が最もやる気になるのはどのような時でしょうか?
ロシアの心理学者レフ・ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」という理論によれば、私たちが一番やる気がでる状況は、50%は知っている領域、残りの50%は未知の領域というシチュエーションだと言われています。
(例)
・既存の取引先と全く新しい事業を始める
・テニスで初めてダブルスの試合を行う
・料理教室で新しい料理をマスターする
(引用)http://kusekatuyou.eshizuoka.jp/
このように私たちは、すでに経験済みでいつもやっている作業を行ってもやる気が出ません。
また、ほとんど経験したことがない作業を行う際は「できない」というストレスがかかってやる気が引き出されません。
他者の力を借りてやってみないとわからないという状況で一番やる気が引き出されると言われています。
様々な場面でやる気を引き出すためにも、沢山の経験をしておくことが大切かもしれません。
★見逃せない「やる気が出ない!」サインとは?
前の章では、どのような時にやる気が引き出されるかを見ていきましたね。
しかし、やる気が引き出される状況を作るためには、自分自身の身体のことをもっと良く知らなければなりません。
では、やる気が出にくくなっている身体の状態とはどのような時でしょうか。
いくつか具体例を見てみましょう。
①人やモノにぶつかる
家事をしていると、「足の小指をぶつけて痛い~!」なんてことありませんか?
これは実は「からだがどう動いているのかを脳が把握できていない」からです。
このような状態で、先程のやる気のでるシチュエーションを作ろうとしても、うまくいきません。
②飴玉を最後までなめずに噛む
飴玉を口に入れたらすぐ噛んでしまうというのも、脳からの警告サインです。
噛むというリズム的な運動をすると、脳にはセラトニンという物質が分泌されます。
この物質は気分を安定させる作用があると言われています。
つまり、普通舐めるべき飴玉ですら噛んでしまうということは、それだけ気分が安定していないということを指しています。
このように気分が安定している状態でないと、やる気が出ませんよね。
③「あれ?何しに来たんだっけ?」
何か目的を持っていたのに、部屋に入ったとたん忘れてしまうなんてことありませんか?
これは、脳が「いくつもの対象に注意を向けている状態」になっている証拠です。
このような状態になってしまうと、脳は覚醒しすぎてしまい、パフォーマンスは落ちてしまいます。
★身体の不調を自覚して、やる気を高めよう!
皆さん、身体の不調で当てはまるものはありましたか?
普段の日常生活で何気なく行っている行動が、実は身体の不調サインであり、やる気を引き出しにくくなっているということを身体が示してくれていたのですね。
身体の不調を改善するためには、脳が正常に働く必要があります。
そのために大切なことはやはり「睡眠」だと言われています。
さらに睡眠には、私たちの脳が昼間に経験したことを、睡眠中に記憶に変換して、翌日には「使える記憶」にするという効果もあります。
この使える記憶はやる気が出るシチュエーションに必要な「経験済み領域」に入ります。
しっかりとした睡眠をとることで、「経験済み領域」に入る記憶が多くなり、最初は知らないことが多い仕事でも、徐々に「経験済み領域」:「未知の領域」=50:50という状態に近づき、結果やる気も高まりやすくなります。
ちょっとした身体の不調ややる気の低下を感じたら、「睡眠不足のせいかも?」と疑ってみてください。
次の日にはやる気が高まっているかもしれませんよ。
(参考)
菅原洋平「あなたの人生を変える睡眠の法則」2012年(自由国民社)
[…] 「やる気」に危険信号? 3つの不調サインを見逃すな! […]