ビジネスマンのバイブルともいえる『7つの習慣』 はじめての方はこちらからどうぞ!
★「なんで言うとおりに動いてくれないのだ」と感じたら第3の習慣
2年目、3年目になると、どんどん後輩が入ってきますよね。
今まで自分が一番下だったのに、後輩が入ってきて、ドキドキしたり、身が引き締まる思いのかたも多いのではないでしょうか?
仕事上でも、後輩に仕事を教える機会が増えてくると思います。
その時に皆さん1度は「なんで言うとおりに動いてくれないのだ」と感じたことがあるのではないでしょうか?
後輩の行動が1から10まで気になってしょうがなくなってしまうと、自分の仕事にも手がつかず、ストレスを感じてしまいますよね。
今回は7つの習慣のうちの第3の習慣を通して、後輩に良い仕事をしてもらい、自分自身のストレスを和らげる方法をご紹介していきます。
では事例で見ていきましょう。
地方銀行に入社して3年目のIさんは、ようやく仕事にも慣れてきて、窓口でお客様の対応も任せてもらっています。
そんなIさんの支店に新入社員の女の子が配属されました。
Iさんは上司から、その新入社員の教育係をお願いされ、彼女と一緒に行動することが増えてきました。
まずIさんは基本的な両替のやり方を一緒に付きながら教えました。
そして、彼女に1人でやってもらい、Iさんがチェックするようにしていきました。
Iさんは、自分が先輩から完璧になるまで仕事をチェックされていたのを思い出し、彼女の仕事を全てチェックし、ちょっとでもやり方が間違っていたり、時間がかかっていたりすると「なんでできないの?」と代わりにやることもしばしばありました。
そうやって、彼女の面倒ばかりみていることで、自分の仕事が進まず、上司からも怒られ「なんで私が怒られなきゃならないの」とストレスを抱えていました。
「仕事を人に任せると、かえって仕事が増えてしまう」こんな方はいませんか?
実はこれは、私たちの考え方のせいだったのです。
ではどう考えて行動すればよいのかを見てみましょう。
★デリケーションを使って、自分の能力を何倍にもしよう!
何かを達成する時には、自分の時間を使って実行するか、人に任せるかどちらかしかありません。
「『7つの習慣で元気になろう!』第3の習慣×働くパパ」でご紹介したように、第3の習慣は自分自身をマネジメントしていくことが大切になります。
実はそれ以外に、他人の活動をマネジメントする「デリケーション」もとても大事だったのです。
デリケーションとはズバリ「人に任せる」ということです。
「人に任せると仕事が増える」という人は、人に何かを任せる際に、あれこれ細かく指示をして、進捗を監視しているのはなでしょうか。
デリケーションが上手にできている人は、人に任せる際に、相手の自覚や意思を尊重し、手段は相手に任せた上で、結果だけに責任を持たせています。
では、デリケーションを行う際に相手に共有すべき、5つのポイントをご紹介します。
①望む結果…具体的に達成してほしい事柄
②ガイドライン…守るべきルール、してはいけないこと
③リソース…利用してよいもの
④アカウンタビリティ…仕事の結果を評価する基準
⑤評価の結果…よかったのか?悪かったのか?
信頼ほど人にやる気を起こさせることはない。信頼されていると思えば、人は自分の最高の力を発揮する。
『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』P.243
「あれやって」「これやって」では、その時は仕事がスムーズに進むかもしれません。
しかし、その指示がないと動かない人間になってしまう可能性も秘めています。
本当に信頼されていると感じることで、人は思っている以上の仕事をしてくれるでしょう。
★「任せる」ことで、自分も相手も成長させよう
Iさんは改めて考えると、後輩の彼女を信頼せずに、全ての仕事を監視していうたということに気付きました。
そこで、先ほどのデリケーションを行う5つのポイントにそって、彼女に仕事を任せてみました。
①望む結果
15時までに全ての両替を終わらせ、正しい計算結果を出す
②ガイドライン
必ずお金を数える時はダブルチェックを行う。1回目は自分の手と目視、2回目は両替機でチェック。
③リソース
15時までに間に合わない場合やわからないことは、Iさんに相談をしてよい
④アカウンタビリティ
15時半までにIさんに声をかける。そこで計算結果を報告し、Iさんによる最後のチェックを行う
⑤評価の結果
すべての計算が合っていればOK
やってみた初日、彼女は両替機の前を行ったり来たりするたびに、「何してるの?」と声をかけたくなる気持ちを抑えて、彼女に任せていました。
そうすると14時ごろ彼女から「I先輩、ここのやり方がどうしてもわかりません、手伝ってもらえませんか?」と声をかけられました。
そして、約束通り15時半前に彼女から「計算が終わったので、確認してもらえませんか?」と声をかけられました。
計算は合っていたのです。
あれだけ何度も注意してもできなかったのに・・・とIさんは驚きましたが、彼女の顔を見るとやり切ったという満足感に溢れていました。
このように彼女に仕事を任せていくことで、Iさんは自分の仕事にかける時間が増え、ストレスもなくなりました。
相手の全てを把握することが、良い育て方だと思っている方は沢山います。
相手を信頼して、任せることこそ、仕事をするうえでも、家族間でも一番難しいことです。
しかし、それを行うことができれば、あなたの能力は何十倍にもパワーアップすることでしょう。
フランクリン・コヴィー「まんがでわかる7つの習慣①③」2014年(宝島社)
スティーブン・R・コヴィー「完訳7つの習慣 人格主義の回復」2015年(キングベアー出版)
まんがでわかる7つの習慣3 第3の習慣/第4の習慣/第5の習慣 (まんがでわかるシリーズ)
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